自動車コラム

新車にスペアタイヤがないのはナゼ?~タイヤのはなし~

以前は車に装備しておくのが義務だったスペアタイヤ。最近ではスペアタイヤはオプションということが普通になった。なぜ新車にスペアタイヤが搭載されなくなったのでしょうか。

スペアタイヤがなくなったのは

・燃費が悪くなってしまうから
・使用頻度が低いから
・タイヤ交換が自分でできない
・携帯電話が普及したから

燃費が悪くなってしまうから

最近の車は少しでも軽く、軽量化を図っています。スペアタイヤを積まないことで、燃費がそんなに変わるのか、実はすごく変わるというわけではないようですが、スペアタイヤを載せるスペースが要らなくなることで、少し車の重量を軽くすることはできているのでしょうか。その分荷物を積むスペースを増やしたり、車内のデザインの自由度が上がりますね。

使用頻度が低いから

私はこの理由が一番だと思っています。スペアタイヤを使う機会ってそんなにあるでしょうか。一度も使われること無く廃棄されるスペアタイヤも多いようで、資源を無駄にしないようにという理由もあります。積んでいても使わないなら、ただ重いだけの荷物になってしまいますよね。スペアタイヤも使わなければ劣化していきますし、無くて困るときがあまりないですよね。

タイヤ交換が自分でできない

スペアタイヤを積んでいたとしても、肝心なきとに自分でタイヤ交換ができなければ意味がありません。タイヤ交換を自分でできる人はどのくらいいるでしょうか。自分で交換できなければスペアタイヤは必要ありませんよね。

携帯電話が普及したから

昔は簡単に人に連絡することはできませんでした。外にいたらどこにいるかなんてわかりません。でも今は1人に1台、中には2台以上持っている人もいるほど、携帯電話が普及しました。いつでも、どこでも連絡できて便利な携帯電話の普及によって、トラブルがあってもすぐにロードサービスに連絡できるようになりました。連絡したら来てもらえるようになったからタイヤ交換を自分でする機会も減り、余計にスペアタイヤの出番は減ってしまったのかもしれませんね。

タイヤトラブルもいろいろ

タイヤトラブルといえば「パンク」。バーストやスローパンクチャーなどがあります。

バーストは走行中にタイヤが突然破裂する現象です。
タイヤの損傷やゴムの劣化、過積載、空気圧が主なバーストの原因です。

スローパンクチャー

タイヤに小さな穴やヒビがあるとそこから少しずつ空気が抜けてしまいます。外側だけではなく内側にヒビができて、そこから空気が抜けてしまうこともあります。

タイヤの損傷

走行中に釘などの尖った物体との接触によってタイヤが損傷してしまいます。

一般道を走行中なら落下物があっても、『○○が落ちているな』と落ちているものが何か認識できたり、周りに車がいなければ、避けることもできますよね。

高速道路ではスピードが出ているので、落下物に気づけたとしても、それが何なのか、轢いてしまっても害のない物なのか、考えている時間はほとんどありません。避けようと思ったけど追い越し車線に車がいて避けられないなど、避けられずに、急ハンドルを切ることも危ないので、仕方なくそのまま轢いて乗り越えるしかないときだってあります。

特に高速道路では落下物に注意したいですね。
落下物を発見したら「道路緊急ダイヤル #9910」に連絡して知らせましょう。

落下物があったら、周りの状況を見て避けられそうな時はタイヤが損傷しないように避けましょう。

ゴムの劣化

タイヤの寿命は3~5年と言われています。もちろん使用状況によって異なりますので、ゴムが劣化していないか、定期的なチェックが必要です。タイヤは古くなれば劣化していきますし、劣化しているのに気づかずに走行するのは危険です。バーストしてしまう前にタイヤをチェックし、交換することをオススメします。

都市部や山道を良く走る人は劣化が早いことがあります。都市部では信号が多く、停まったり曲がったりが多いと劣化が早まってしまうことも。駐車場に車を停めるときにハンドルをぐるぐる切ると窓を開けたり、外にいたら分かりやすいのですが、タイヤが擦れる音がしています。タイヤに負担がかかってしまうので、なるべく停まっているときにハンドルを切るのは避けたいですね。山道はカーブが多いのでタイヤがすり減るのが早く、タイヤの寿命も短くなってしまいます。

過積載

日常生活の中での買い物で車移動などそんなに普段は重たいものを載せることもないと思いますが、帰省やキャンピングカーでの遠出だとどうでしょう。ついついたくさん荷物を積んでしまいますよね。私も遠出するときに荷物をたくさん積むと車の車体が下がって、『重たいよね』と車(タイヤ)に負担がかかって申し訳ないなと思います…。車や、キャンピングカーだと特に荷物を積んだままにしてしまいがちですが、タイヤに負担がかかってしまうので、荷物をたくさん積んだままにせずに、車の中はなるべく荷物が無い状態にしておいた方がタイヤへの負担は少なくなります。特に車を停めている場所が砂利道などデコボコした所ならタイヤにより負担がかかってしまいますので、荷物は早めに降ろしておきたいですね。

空気圧

車を購入したお店でチェックしてもらう方法もありますが、ガソリンスタンドでお店の人にチェックしてもらうか、ガソリンスタンドで自分でチェックすることもできます。運転席のドアを開けたところにタイヤの指定空気圧が書かれています。

空気圧が低いとタイヤが波打つスタンディングウェーブ現象が起きやすくなってしまいます。このときタイヤの温度はどんどん高温になっていきます。するとやがてタイヤがバースト(破裂)してしまいます。特に高速道路を走るときはスピードを出しますので、高速に乗る前にチェックしておくことをオススメします。

タイヤのトラブル1位は

日頃からチェックをしていれば、トラブルを防ぐことができるかもしれません。高速道路での故障原因ワースト1位はタイヤ(ホイール)の破損です。他の原因と比べても多いので、空気圧や溝などタイヤのチェックは大切です。

スペアタイヤは普通のタイヤとは違う

見た目も普通のタイヤとは違うのですが、小さくて細いため、その分高い空気圧になっています。高い空気圧によって大きさが小さいのをカバーしていますので、遠出するときなどはスペアタイヤの空気圧をチェックしておくことをオススメします。せっかくスペアタイヤがあるのに、いざと言うときに使えないということがないようにチェックしておきたいですね。スペアタイヤの空気圧も運転席のドアを開けたところに応急用タイヤの空気圧として数値が書かれています。見ると普通のタイヤの空気圧よりもかなり高めになっていることがわかります。

スペアタイヤか応急処理キットか

スペアタイヤをオプションでつけた方がいいのか、応急処理キットでいいのかと考える人もいると思います。自分でタイヤ交換ができる人ならスペアタイヤの方が良いこともあります。応急処理キットは使える場合と使えない場合があります。バーストしてしまったら応急処理キットでとりあえず処理するということもできません。スペアタイヤならタイヤ交換をすれば、とりあえず最寄のガソリンスタンドに行くことはできます。ただ、スペアタイヤも劣化しているかもしれませんので、結局はどちらにしても知識が無ければロードサービスに連絡して専門の人にお願いするのが確実ですね。

ローテーション

前輪と後輪でタイヤの磨耗箇所が違うため、偏った磨耗を防ぐためにタイヤの位置を入れ替えます。こうすると同じ位置でタイヤを使用し続けるよりもタイヤの磨耗を均等にすることができて、タイヤが長持ちします。

三角と矢印 タイヤのサイン

スリップサイン

タイヤの側面に三角▲のマークがあります。この三角のマークはスリップサインの位置を表していて、三角のマークの先にスリップサインがあります。一番低いところよりも少し出っ張った部分が1.6ミリで、法令で定められた最低ラインです。タイヤの太い溝は、タイヤがすり減ると溝が浅くなり、水はけが悪くなります。水はけが悪くなると水の上を滑ってしまい、ハンドルやブレーキが利かなくなるハイドロプレーニング現象が発生しやすくなってしまいます。

また、溝がすり減ったタイヤは制動距離も長くなってしまいます。とっさにブレーキをかけたとき、溝があるタイヤなら、ぶつからずに停まることができたのに、溝の浅いタイヤで走行していて、制動距離が長くなってしまったため、ぶつかってしまったということになりかねません。

タイヤの溝が浅くなってきたら、特に路面が濡れていると余計に制動距離が長くなってしまいます。高速道路を走行するときなどは速度に注意し、車間距離を十分開けてブレーキ操作にもより注意が必要です。

タイヤにとって溝は大切。スリップサインはタイヤ交換のひとつの目安になります。危険な状態で走行しないようにスリップサインが見えて、平行になるくらいタイヤがすり減っていたら新品と交換できるように、たまにチェックしておきたいですね。

プラットホーム

タイヤの使用限度を表しているスリップサインですが、冬用のスタッドレスタイヤの側面にはスリップサインの他にプラットホームの位置を表す矢印↑のマークがあり、矢印の先にプラットホームがあります。一番低いところよりも少し出っ張った部分のプラットホームの出っ張りが見えて、平行になるくらいまでタイヤがすり減ってしまうと、新品のときから溝の深さが50%になったサイン。溝の深さが50%以下になるとスタッドレスタイヤとして使用することはできなくなってしまいます。

溝の深さが50%以下になると冬用のスタッドレスタイヤとしては使用できませんが、夏用のタイヤとしてはまだ使用することができます。プラットホームと平行になり、スタッドレスタイヤとして使用できなくなったら、夏用のタイヤとして使用し、スリップサインと平行になるくらいまでタイヤがすり減ってきたときが、そのタイヤの使用限度です。

スリップサインとプラットホーム まとめ

スリップサイン
・夏用タイヤとスタッドレスタイヤについている
・三角のマークの先にスリップサインがある
・出っ張ったスリップサインは残りの溝が1.6ミリということ(法令で定められた最低ライン)

プラットホーム
・冬用のスタッドレスタイヤについている
・矢印のマークの先にプラットホームがある
・出っ張ったプラットホームは溝の深さが50%になったサイン
・スタッドレスタイヤとして使用できなくなっても、スリップサインと平行になるくらいまでは夏用のタイヤとして使用できる

低燃費タイヤ(エコタイヤ)

低燃費タイヤと認定されているタイヤには低燃費タイヤとわかるようにラベル表示されていて、転がり抵抗とウェットグリップ性能の等級もすぐにわかるようになっています。タイヤを購入する際は探してみて下さい。

低燃費タイヤは適正な空気圧で使用することが望ましく、本来の性能を発揮させるためにも小まめな点検が大切です。空気圧が下がってくると燃費が悪くなってしまうので1ヵ月に1度のチェックがオススメです。

転がり抵抗って何?

車を運転するとタイヤと路面に摩擦が生じます。摩擦が高ければ、その分多くのエネルギーが必要になりますが、摩擦が低ければタイヤは良く転がり、燃費が良くなります。燃費が良くなると二酸化炭素排出量を削減することができるので、低燃費タイヤはエコタイヤとも言われています。等級はAAA・AA・A・B・Cの5段階で表されており、最高のAAA~Aまでが低燃費タイヤとされています。

ウェットグリップ性能って何?

雨などで路面が濡れているときのタイヤのグリップ力を表しています。グリップ性能が落ちると路面が濡れた状態では制動距離が長くなってしまいます。等級はa・b・c・dの4段階で表されています。

タイヤが良く転がるようになれば燃費は良くなるものの、グリップ性能は落ちてしまう。転がり抵抗とウェットグリップ性能は相反する特性なので、どちらも良くすることは難しいのです。ですが、転がり抵抗係数が「AAA」、ウェットグリップ性能係数が「a」とどちらも最高の低燃費タイヤも販売されています。転がり抵抗がAAA~A、ウェットグリップ性能がa~dのタイヤは低燃費タイヤですが、どちらか1つの条件しか満たしていないタイヤは低燃費タイヤではありません。転がり抵抗がAAA~A、ウェットグリップ性能がa~dの2つの条件満たしているタイヤが低燃費タイヤとして認定され、低燃費タイヤのマークがついています。

トレッドパターン

タイヤの溝の模様は用途によって違います。溝の模様、トレッドパターンの形状によって排水性も変わってきます。どの模様が良いのか、安全のためにいろいろと考えられてトレッドパターンは決められています。

ランフラットタイヤ

ランフラットタイヤは補強用のゴムがついており、パンクしても時速は約80kmまで、80km程パンクしても走行することができます。補強用のゴムがタイヤを支えることで空気圧が0になっても走り続けることができるそうです。普通のタイヤならパンクしてしまったらすぐに普通の運転ができなくなってしまいますから、安全性が向上します。

メリット

メリットはなんといってもパンクしても一定の距離を走行できること。高速道路を走行中にパンクしてしまったら普通のタイヤなら運良くパンク後すぐに後続車がいなかったりしても、車を動かすことができず、車線をふさいでしまい、そうなるといつ後続車に追突されるか分かりません。ランフラットタイヤなら路肩まで移動させるなど、安全な場所まで車を移動させることも可能です。

パンクしても一定の距離を走行できるので、スペアタイヤが不要になり、軽量化、燃費の向上にもつながります。

デメリット

ランフラットタイヤは乗り心地が悪く、価格も高めというデメリットがあります。ですが、乗り心地は少しずつ改善されていて、今後もっとランフラットタイヤが普及すれば価格も徐々に下がっていくでしょうから、普通のタイヤと同じような乗り心地と価格になって、普及していけば事故率の軽減につながりそうですね。

ランフラットタイヤはパンクしても走行することができるため、パンクしていることに気がつきくいのもデメリットのひとつです。そのため、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS)が装備されています。空気圧が低下すると警告灯が点灯するので、パンクに気づかないまま走行することはありません。ランプが点灯したら落ち着いて路肩に停車するなど対応することができます。

まとめ

新車にスペアタイヤがついていないのは、昔よりもタイヤが丈夫になり、パンクなどのトラブルが減ったことに加え、環境への配慮など、いろいろあります。低燃費タイヤやランフラットタイヤのようなタイヤが今後普及していけば、環境にもやさいく、事故も減らすことができるでしょう。タイヤの溝が浅い状態で走行すると雨など路面が濡れている状態では制動距離も長くなり、ハイドロプレーニング現象も起きやすくなり危険です。遠出するときなど、たまにスリップサインを確認してタイヤ交換が必要かチェックすることが大切です。

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