自動車コラム

お酒を飲むとどうなる?~飲酒運転と未成年の飲酒~

お酒を飲んだ後で運転すると集中力や判断力が低下します。飲酒運転は交通事故などに繋がるため当然禁止されています。罰則も厳しくなり、年々減少してきましたが、それでもまだまだ多い飲酒運転。今回は飲酒運転や酔うこととはどういうことか、未成年の飲酒について。

飲酒運転の罪

飲酒運転の罰則はだんだん重くなっています。それでも飲酒運転は「0」になっていません。教習所の教官から聞いたのですが「前に見たことがあるおじさんがいるなと思ったら飲酒運転で捕まり、また免許を取り直しに来ているという人がたまにいる。飲酒運転はダメだと思っていても、何回もやってしまう人が多い。捕まってもなかなかやめられずにまた捕まってしまう人も多い。」飲酒運転で捕まって、免許取消しになっても何回も免許を取りにいくなんてお金もかかるし、大変なのにそれでも飲酒運転を何度もするなんて・・・と話を聞いたときは思っていましたが、飲酒運転がなくならないところを見ると飲酒運転を繰り返してしまう人が多いと実感します。

ある調査で飲酒運転をした理由で一番多かったのは「捕まらないと思った」次に「少量なので大丈夫」「代行運転・タクシーはお金がかかる」と続いています。つまり自分は大丈夫、お金がかかるなど自分に都合の良いように考えている人が多いことがわかります。飲酒運転の罰則が重くなっても「捕まらないと思った」「少量なので大丈夫」と根拠がないのに自分は大丈夫だと思って飲酒運転をしてしまう人が多いようです。

 

「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違い

飲酒運転の種類は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類に分類されます。行政処分は以下のとおりです。

■飲酒運転
お酒を飲んだ後で運転すること。車だけではなく、バイクや自転車など他の乗り物でも同様に飲酒運転になります。

■酒気帯び運転
お酒を飲んだ後で運転し、呼気中のアルコール濃度が0.15mg以上0.25mg未満は違反点数13点さらに90日間の免許停止となります。呼気中のアルコール濃度が0.25mg以上だった場合は違反点数25点さらに免許取消しとなり、2年間は運転免許証を取得することができません。酒気帯び運転の刑事罰は3年以下の懲役または50万円以下の罰金になります。

■酒酔い運転
お酒を飲んで酔っていて、正常な運転ができない状態で車を運転した場合は酒酔い運転になります。その際、酒気帯び運転とは違い、呼気中のアルコール濃度は関係ありません。違反点数は35点さらに免許取消しとなり、3年間は運転免許証を取得することができません。酒酔い運転の刑事罰は5年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。

酒酔い運転は呼気中のアルコール濃度に関係なく、文字通り酔っていて運転できる状態じゃないということで、酒気帯び運転よりも重い処分となります。この違反点数35点は麻薬等運転や救護義務違反(ひき逃げ)と同じ違反点数です。お酒に酔った状態で運転することは大きな罪であることがわかりますね。

 

死傷事故を起こしたら

飲酒運転をして事故を起こしてしまった場合、飲酒運転で正常な判断ができない状態で運転し、人を負傷または死亡させてしまった場合、危険運転致死傷罪が適用されると最長で20年の懲役刑になります。

自動車運転過失致死傷罪
【負傷・死亡】7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金

 

危険運転致死傷罪
【負傷】15年以下の懲役
【死亡】20年以下の懲役

運転ミスなど過失の事故は自動車運転過失致死傷罪。危険な運転をしていると認識したうえでの事故は危険運転致死傷罪。アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で運転して人を死傷させた場合は危険運転致死傷罪が適用されます。

 

同乗者の罪

飲酒運転は車を運転していた運転手だけではなく、その車に同乗していた人や車両を提供した人、(お店など)お酒を提供した人にも罰則があります。

 

同乗したり、お酒や車を提供した場合の刑事処分

 

運転者がお酒を飲んでいることを知っていたのに同乗した場合

■運転者が酒気帯び運転をした場合
2年以下の懲役または30万円以下の罰金

■運転者が酒酔い運転をした場合
3年以下の懲役または50万円以下の罰金

運転者が酩酊状態であることを知らなかった場合
2年以下の懲役または30万円以下の罰金

 

飲酒運転をするおそれのある者に車両を提供した場合

■運転者が酒気帯び運転をした場合
3年以下の懲役または50万円以下の罰金

■運転者が酒酔い運転をした場合
5年以下の懲役または100万円以下の罰金

 

車を運転するおそれがある者に酒類を提供した場合

■運転者が酒気帯び運転をした場合
2年以下の懲役または30万円以下の罰金

■運転者が酒酔い運転をした場合
3年以下の懲役または50万円以下の罰金

 

同乗したり、お酒や車を提供した場合の行政処分

運転免許証があれば刑事処分に加えて行政処分も運転者と同様に責任が問われます。

■酒気帯び(0.25未満)
違反点数13点・90日間の免許停止処分

■酒気帯び(0.25以上)
違反点数25点・免許取消し(失格期間2年)

■酒酔い
違反点数35点・免許取消し(失格期間3年)

 

 

飲酒の影響

お酒を飲むと中枢神経がマヒします。すると集中力が低下したり、平衡感覚が鈍くなったりします。さらに自制心や理性が低下し、運転に大切な視野が狭くなったり運動能力が低下することが重大な事故の原因になってしまいます。

視野が狭くなる、動体視力が落ちる
→信号の変化や車や人の動きの見極めが遅れる。

集中力が低下する
→とっさの状況の変化に対応できない。

理性が低下する
→判断力が低下するため、スピードを出しすぎてしまっていても気づかないなど乱暴な運転になってしまう。

 

「酔う」ことと酔いが回る時間

「酔う」とは、お酒を飲むと血液に溶け込んだアルコールが脳に到達し、脳が麻痺した状態のことです。アルコールの血中濃度とによって酔いの状態は6段階に分けられます。「ほろ酔い期」までは楽しくお酒を飲むことができますが、お酒の量が増えると酔いが進むのと同時に脳の麻痺も進みます。

爽快期
酒量:ビール中瓶1本まで
状態:皮膚が赤くなる、陽気になる

ほろ酔い期
酒量:ビール中瓶1~2本
状態:ほろ酔い気分になる・抑制がとれる(理性が失われる)

酩酊初期
酒量:ビール中瓶3本
状態:気が大きくなる・おこりっぽくなる

酩酊期
酒量:ビール中瓶4~6本
状態:千鳥足になる・吐き気、おう吐が起こる

泥酔期
酒量:ビール中瓶7~10本
状態:まともに立てない・意識がはっきりしない

昏睡期
酒量:ビール中瓶10本超
状態:揺り動かしても起きない・時に死亡することがある

【公益社団法人アルコール健康医学協会「アルコール血中濃度と酔いの状態」より抜粋】

お酒を飲んで、アルコールが脳に到達して脳が麻痺するまで、つまり酔うまで数十分~1時間くらいかかります。お酒を飲みながら何か食べているとさらに時間がかかります。空腹のときにお酒を飲むと早く酔いが回ることもありますし、酔うまでにかかる時間は体調や体質により異なり、一定ではありません。

飲んだ直後は酔っていないと感じるかもしれませんが、酔うまである程度時間がかかるだけで酔っていないわけではありません。しばらくしたら酔いが回ってきますので、お酒を飲んだら運転はしてはいけません。

 

ノンアルコール飲料でも飲酒運転になる?

注意したいのは、ノンアルコールのビールやチューハイでもアルコールが少し含まれている場合があるということです。「ノンアルコール」の飲料はアルコールが0%~1%未満なら「ノンアルコール」と表記してもいいことになっています。そのためアルコールが0.5%入っていても「ノンアルコール」と表記されていて、「お酒」ではなく「清涼飲料水」として売られているかもしれません。

「ノンアルコール」と書いてあるからといって少量のアルコールが入っているものをたくさん飲めば飲酒運転の基準値を超える可能性もあります。お酒に弱い体質なら少量でも酔ってしまうかもしれません。最近のノンアルコール飲料を見てみると「アルコール0.00%」と書かれているものが多いので、車を運転する予定があって、ノンアルコール飲料を飲む場合は「アルコール0.00%」と書いてあるものを選ぶと安心ですね。お店でノンアルコール飲料を飲む場合も飲んだ後に車を運転するなら、たくさん飲んでも大丈夫なように「アルコール0.00%」かどうか確認しておくと良いでしょう。

飲んだ後に車を運転するなら飲酒運転をしないために「アルコール0.00%」のものを選ぶようにしましょう。

 

酔いがさめるのは何時間後?

1単位のアルコールが体内で分解されるまでに約3時間から4時間かかります。1単位のアルコールとは、ビールなら中瓶1本(500ml)日本酒なら1合(180ml)焼酎なら0.6合(約110ml)です。2単位なら約6時間から7時間、4単位なら約12時間から13時間かかります。この時間は体重60kgの成人男性の場合の目安なので、性別や体格、体質や体調によっても異なります。

4単位のお酒、ビールなら中瓶4本(2000ml)を飲むと体内でアルコールが分解されるまでには約半日かかります。0時までお酒を飲んでいたとしたら、お昼頃まではお酒が抜けておらず、朝車を運転すると飲酒運転になってしまうかもしれません。お酒を飲めば飲むほどお酒が抜けるまでに時間がかかります。

※どのくらいの時間でお酒が体から抜けるかは体質や体調により異なります。お酒を飲んでから○時間後には運転をしても大丈夫という趣旨の内容ではありません。

 

休んだら大丈夫?

お酒を飲んだ量にもよりますが、10時間以上経過していて睡眠もきちんととっていても翌日の朝、お酒が残っていて事故を起こしてしまったということもあります。翌日車を運転しなければならないときは、飲み過ぎないように量を加減して早めに飲むのをやめましょう。

 

お酒とお風呂

汗をかくとアルコールが抜けるからとお風呂に入る人もいるかもしれませんが、お酒を飲んだ直後にお風呂に入ると体が温まり、血液の循環が良くなることでアルコールが全身にまわってしまうので、酔いを覚ますためにお風呂に入ってもますます酔ってしまいます。酔っているとちゃんと歩けないことがあるように転倒してしまう可能性もあります。

アルコールはほとんどが肝臓で分解されます。汗や尿、呼気から排出されるアルコールは数%しかありません。汗をかいて酔いを覚まそうとしてもアルコールはほとんど抜けません。それどころか汗をかいて水分が不足してしまうと脱水症状を引き起こしてしまう可能性があります。水分が不足すると肝臓でのアルコールの分解も低下してしまうため、お酒が体から抜けにくくなってしまいます。お酒を飲んだらすぐにお風呂には入らず2時間くらい時間をあけてからにするか、お酒を飲む前にお風呂に入るようにしておきましょう。

 

トマトは酔いが覚めるのを早くさせる効果がある

ウォッカとトマトジュースのカクテル「ブラッディ・マリー」やビールとトマトジュースのカクテル「レッド・アイ」などトマトジュースを使ったお酒があるように、昔からトマトは二日酔いに良いといわれていました。

トマトジュース約160mlの缶3本(480ml)と焼酎甲類のストレート約100mlを同時摂取試験によると、お酒しか飲んでいないときと比べて血中のアルコール濃度が低くなり、約3割も体内にとどまるアルコールの量が減少しました。さらに体内からのアルコール消失時間も約50分早まることが実証されました。このようにヒトによる実験でお酒を飲むときにトマトを一緒に摂ることで酔うのが緩やかになり、酔いから覚めるのも早くなる可能性があるという結果が出ました。

お酒を飲むときにトマトジュースを一緒に飲むことは難しいかもしれませんが、お酒を飲む前にトマトジュースを飲んだり、お酒を飲みながら、おつまみとしてトマトを食べたり、トマト入りのサラダを食べるのもいいかもしれません。

 

ハンドルキーパー運動

飲酒運転根絶のための運動で、飲み会などでお酒を飲むときに、お酒を飲まない人、ハンドルキーパーを決めてその人がお酒を飲んだ人を送り届けるという飲酒運転を防止する運動です。なかにはソフトドリンクやノンアルコール飲料を1杯サービスしてくれるお店もあります。

 

未成年の飲酒

日本では20歳未満の飲酒は未成年者飲酒禁止法という法律で禁止されています。この法律では飲酒を禁止するほか、未成年者の飲酒を知った場合、親権者など周りの大人に対して制止する義務が規定されています。お酒を販売するときは年齢確認を行い、未成年者にはお酒を売ってはいけないことになっています。アルコールを大量に長い間飲みすぎると脳の神経細胞が破壊されて脳が縮んでしまいます。未成年者は脳が未完成のため、より起こりやすいとされています。神経細胞が破壊されると思考力や学力の低下につながります。

大人に比べるとアルコールを分解する酵素の働きが未発達のため、急性アルコール中毒になる危険性も高くなります。アルコール依存症は飲酒開始年齢が若いほど発症するまでの期間が短いケースが多いとされています。中年男性は習慣的な飲酒を始めてから15~20年、中年女性は5~10年で発症するのに対して、未成年者は数ヶ月~2年の短期間で発症してしまう危険性が高いのです。

 

大人が勧めている?

ある調査では、中学生や高校生でもお酒を飲んだことがあると回答している人は、冠婚葬祭のときや家族と一緒のときに飲んだと回答している人が他の項目に比べて多いことがわかりました。本来ならお酒を飲むのをとめなければいけない大人が実はお酒を勧めてしまうケースもあるようです。

未成年者飲酒禁止法では「20歳未満はお酒を飲んではいけない」というほかに「親権者は未成年の飲酒を制止する義務」が規定されており、販売者も「年齢確認をする」など本人だけではなく、周りの大人の責任も問われています。

心身ともに未発達な未成年のうちから飲酒をすることで急性アルコール中毒やアルコール依存症になりやすくなってしまいます。体と心の成長を妨げてしまわないためにも未成年のうちから飲酒をする危険性を大人が理解し、未成年者に勧めないことが大切です。

 

大学生は要注意!

特に大学生はお酒をまだ飲めない未成年とお酒を飲んでもいい20歳以上の学生がいるため飲み会に行くと勧められたりして無理をしてたくさんお酒を飲んでしまうことも。たくさんお酒を飲んだ後に寝てしまっている場合は注意が必要です。寝ていると思ったら気づいたときには呼吸が停止していて、最悪の場合は、急性アルコール中毒で死亡してしまうこともあります。

場の空気を読んで、まだ飲めないお酒を飲まなければいけないことはありません。お酒を飲まない人、飲めない人がいたらその人たちはジュースやお茶でもいいのです。お酒を飲むか飲まないかで楽しさは変わらないはずです。

20歳以上の学生は未成年の学生に飲酒を勧めない、20歳未満の未成年の学生はお酒を勧められたとしても「まだ飲めない」と断ることが大切です。

 

さいごに

お酒は適度に飲むぶんには楽しいもの。ですが、飲みすぎると依存症になったり、もっと酷くなると死亡してしまうこともあります。そしてもしもお酒を飲んで運転して事故をしてしまったら、仕事や家庭など全てを失ってしまうかもしれません。お酒を飲んで運転することは、誰かの人生や命を奪ってしまう可能性があることを忘れてはいけません。飲酒運転での事故はお酒を飲まなければ防ぐことができる事故です。

お酒を飲むと判断力が低下して正常な判断ができなくなることを理解したうえで、飲みすぎず楽しく飲める程度にしておきましょう。

お酒を飲んだら乗るな。飲むなら乗るな。

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